deck-title.jpg (3335 バイト)

ホームページへ   アイアンウッドへ

デッキ用材について考える

弊社は40年近くに亘りチーク材、ローズウッド、カリン、紫檀,、黒檀、ウオールナット等の世界の銘木、高級木材の輸入、販売に携わってきましたが、針葉樹に関しては全くの素人でした。

12年程前、蓼科の山荘にウッドデッキを張りましたが、その際業者に勧められるまま北米材のSPFでデッキを造ってしまいました。

それから5年後小生の目からうろこが落ちました。大学で林学を学び、その後30年近く材木商としてやってきたのに、改めて木材が簡単に、かつ短期間に腐るという事実にウッドデッキを通じて気が付かされ 愕然としたのです。大学で木材腐朽論という講義も受けてきたのに……。

そこで農水省の森林総合研究所から資料を取り寄せ、大学の研究室にも通い木材腐朽に関し勉強しなおしました。その結果従来の一般的な常識や、材木屋がいかに無知で、施工業者 がいかに無責任、はたまた業界団体のごまかし等々に怒りを覚えました。

ウッドデッキを作るのは、単なる濡れ縁を作るのとは違います。構造物である以上、安い買い物ではありません。強度と耐久性は不可欠です。施工業者は施工のし易さと、素材の安価さだけを求め、素材業者は従来の扱いなれた商品だけを勧める。その際、長所だけを強調し、欠点には殆ど言及しないか、故意に眼をそらす。サインカーブのマイナス部分を切り捨ててプラスだけにする様な、情報公開の最も遅れた業界が、木材、建築業界だということに改めて気ずかされました。

そこで現在殆どのウッドデッキ使用されている、レッドシダーに例をあげて検証してみます

1)レッドシダーは、腐らないと云われてきましたが、これは全くのウソ。北米産の天然林から伐採されたもので赤味(心材)の部分は非常に腐りにくい と表現すべきであるし、天然林のレッドシダーは現在は全くと言っていいほど入荷しない。

2)レッドシダーのような針葉樹は殆どが節有りで使用されていて、殊にデッキ用に使われる材は値段も安い代わりにグレードは低い。ホームセンターで扱われている材は殆ど、間伐材に近いもので年輪巾も桐材の様に広く、白太(辺材)の部分が多い為、特に腐りやすい。

3)施工直後はキシラデコールのような保護塗料を塗ってあるため、奇麗であるが、T〜2年で干割れ、色あせが始まり、3〜4年すれば新築時とは比較にならないほどみすぼらしくなり、5年以降急速に劣化し、遂には腐朽が始まる。

4)現在殆どのデッキ製造業者は、施工前に材料に木材保護塗料を塗布するが、若し本当に良心的に施工するなら、鉄道枕木の様に保護塗料は高圧釜に入れて加圧注入すべきであるそうすれば耐用年数は20年近くに延びる。しかし価格は驚くほど高くなる。

5)メンテナンスには木材保護塗料を年にT回塗りつづけなければならないが、この費用が馬鹿にならない。塗料代だけで20M2くらいのデッキで年間4〜5万円掛かる。尚且つデッキの寿命は10年しか持たない。

6)空気中の比較的乾燥した部位では耐久性は良いが、日本のような夏季に高温多湿になる地域  では、殊にデッキのように雨水が溜まる場所においてはウエスタンレッドシダーで7年が限度との調査報告が、農水省森林総合研究所から出ている。

         

上の写真左は建築後6年経過したSPF材で作ったデッキです。毎年木材保護塗料を塗布し続けたにも関わらずこの様に劣化、腐朽して仕舞いました。このような個所がいくつか現れ、危険で使用に耐えなくなりました。 右の写真は10年経過した15cm角の杉柱です。表面はきれいだったのですが、このとおり無残な状態でした。

以上縷縷述べてきましたが、要するに広葉樹、針葉樹に限らず一部の例外を除いて腐らない木材はないということです。北米産のレッドシダー、インセンスシダーも良心的に表現するならば、腐りにくいと表現すべきです。

1998年の豪雪では長野県の別荘地帯では多くの針葉樹デッキが破壊されました。北米産のSPF(Spruce/Pine/Firのミックス材)と呼ばれる材種で作ったデッキには新築後わずか5年で破壊されたものもありました。デッキといえども構造物ですから5年や10年で壊れては堪りません。10年という時間は長いようですが、あっという間に来ます。そのとき再び撤去し、 再び作り直すのは大変です。

豪雪地帯では冬期、デッキの上に雪が積もり、それが融け、割れ目から水が浸入し、凍結、デッキ材の割れ目を広げるといった作用を繰り返す。そしてその割れ目には木材保護塗料も浸潤しにくいため、木材腐朽菌がそこに入り込みデッキ材の腐朽を促進させます。

# またデッキの裏側、根太等には保護塗料を塗ることは不可能ですのでそこから腐朽が始まる 。デッキ表面は塗料を塗りつづけている為気付かないが、ある日突然破壊するケースが多々あります。

# 木材には、板目挽きした板の場合、年輪の外側に向けて反る性質を持っているが針葉樹は殊にその傾向が強い為、完成後デッキ表面が凸凹になりやすい。

そのため現在では、公共の公園、港湾、海浜、河川、その他の施設では針葉樹の使用されることはありません。

以上の観点から我々が提案したいのは、家庭用のデッキにも針葉樹を使わず、公共工事に使われる、熱帯産の特殊な 広葉樹の堅木を使うことです

樹種としては、アフリカのボンゴシ、オーストラリアのジャラ、アマゾンのイペ、東南アジアのアイアンウッドです。これらの材は腐らないことで名を知られていますし、新しい公共工事ではこの4樹種が90%以上指定されています。

欠点は、レッドシダー、杉、ヒノキ,等の針葉樹に比較して加工性は悪い、と言うことと重い事です。必ず下穴を開ける必要があるために工程が増え、人件費がかさむ為施工業者は嫌がります。

値段はレッドシダーの節無し、4面クリアー材という同じグレードで比較したら安いが、ホームセンターで売っているような、下級材に比べると高い。

アイアンウッドは旧国鉄での材料試験でも防腐剤の注入なしで枕木に使用できるとのお墨付きを得ています。

ミャンマー、タイでは防腐剤の高圧注入設備がないために、アイアンウッドが長年枕木として使用されてきました。  熱帯のモンスーン地帯で20年以上経過して尚現役で使用されているとの報告もあります。

ボルネオでも昔から原住民が水の上にやぐらを組んで住居としてきましたが、この材料もアイアンウッドです。

ビッグショップっではイペとアイアンウッドをデッキ用材として強くお薦めします。加工性は、普通の電動丸鋸で簡単に切断できます しドリルでの穴あけも比較的スムースに出来る為、何らの支障はありません。

但しインパクトレンチ等で無理やりビスを揉みこみますと、材料が割れることがありますので、必ず下穴を開けてからビス留めをして下さい。木材の性質は非常に素直で、針葉樹の様に施工後急激に反ったり、曲がったりはしません。

また特別の保護塗料を塗る必要がなく経済的であり、この点環境にも人体にも優しい上に、イペはチークにアイアンウッドはカリンに似ていて木目の美しさでも他の材料の追随を許しません。

イペ、アイアンウッドの耐久性はメンテナンスフリーで30年は保証されています。

前記の農水省森林総合研究所では10年以上の調査結果がまだ出ていないために耐用年数は未知数ですが、少なくとも杭として土中に埋め、10年間の経過報告では殆ど変化無しです。ちなみにウエスタンレッドシダーの耐用年数は7年と報告されています。

アイアンウッド使用上の注意点

アイアンウッドは大雨にさらされますと下記の写真のように赤いアクが出て、白いモルタルなどは赤く汚れます。殊に隣家に影響の出る場所でのご使用にはお勧めできません。

イペはこの点、殆ど心配は要りません。

    

アイアンウッド  DIY作品集  吉野ヶ里遺跡工事現場